『せかいいちのモンスター』
今回、紹介する絵本は『せかいいちのモンスター』です。
「おれさまはイッチー、せかいいちのモンスターだ」と、自分の大きさを自慢するイッチー。
そんなイッチーの前に、イッチーよりも大きなモンスターが出てきました!
「おれは2番か」と、がっかりするイッチー。
そこに、更に大きなモンスターが次々と現れます。
・・・
でも、イッチーは「やっぱりせかいでいちばんは、ぼくだ」と言います。
さて、どうしてでしょう?
ページを開くたびに、とても個性的で、楽しいモンスターたちが見られ、子どもは大喜びです。
最後のページまで面白い、かわいいモンスターのお話です。
どんな世界でも、上には上がいる!
勉強でも、習い事でも、趣味でも、何でも「一番」を目指して頑張るのが良しとされていますよね。
例えば、水泳。
スクールで一番速く泳げるようにと、練習をしていたとします。
スクールで、一番速く泳げるようになり、市の大会に出てみると、自分よりもずっと速く泳げる子どもがたくさんいて、がっかり・・・なんていう経験をすることもありますよね。
そこで、「じゃあ、市の大会で一番を目指して練習するぞ!」と思えたら、更に伸びていきます。
けれど、市の大会で一番になっても、もっと広い範囲(例えば、都道府県)の大会などに出ると、まだまだ速く泳げる子どもはたくさんいて・・・
上を見て、「どんどん強くなりたい!」と思う子だったら、更に練習に打ち込めますが、「一番だと思っていたのに・・・」と、自信を無くしてしまう子もいると思います。
自信を無くしてしまうと、生活にも色々な影響が出てきます。
表情が暗くなったり、目標がなくなってダラダラと生活したり。そうなると、見ている親も辛いですよね。
壁を「乗り越える」だけが正解ではないのが人生!
人間、目標や夢があれば、どんな大変な事も乗り越える力になります。
けれど、その大変な事の「壁」が高ければ高いほど、「目標」を見失いやすくもなります。
親が子どもの習い事に必死になり、子どもに「一番」のプレッシャーをかけてしまっている人をよく見ます。
子どもも、大好きな親の期待に応えたいと頑張っています。
子ども自身が、その習い事が大好きで、どうしても「強くなりたい。上手くなりたい」と思うなら、壁が出てきても乗り越えていきます。
けれど、「自分以外の人からの期待に応えたい」という思いだけでは、高い壁を乗り越える力にはなりにくいです。
そんなときに、「一番でなくても、自分ってすごい!」「自分は、いいところがあるんだ!」と思える、柔軟さを、親子とも持っていたいですね。
子どもが落ち込んで自信を無くしそうな時、
「一番でなくても、こんな練習を頑張っていて、かっこよかったよ」
「目標に向かって頑張っていたところが、すごいと思ったよ!」
そんな声をかけてあげられる親になりたいですね。
違う視点を持つ大切さに気づける、楽しい絵本です!
絵本を通して、子どもと学ぼう!
いろいろな「一番」について考えられる絵本はこちら↓